リーダーシップの取り方には色々な理論や方法があります。
様々な理論がありますが、チームをまとめ仕事の成果を上げるリーダーには共通する部分が多くあります。
チームを動かせるリーダーに必要な力についてご紹介します。
リーダーシップとは
リーダーシップの取り方には正解はありませんが、ドイツの社会心理学者であるクルト・レヴィンはリーダーシップには大きく分けて3つのスタイルがあると提唱しています。
まずはそのリーダーシップのスタイルについて見てみましょう。
専制型リーダーシップ
専制型リーダーシップは、リーダーが先頭に立ち、他のメンバーに対して指示を出すタイプのリーダーシップです。
チームや組織の全体の動きを把握しているのはリーダーのみです。
周りのメンバーが指示を遂行することによって、チームが動いていくスタイルになります。
この専制型のスタイルというのは、仕事への意欲が低い時や、失敗が絶対に許されないような仕事の場合に有効です。
民主型リーダーシップ
民主型リーダーシップは、リーダーが先頭に立つのではなく、むしろサポート役として全体を見守るタイプのリーダーシップです。
チームメンバーそれぞれの能力が発揮しやすいことや、自分たちが仕事をしているという主体感を強く感じることができるスタイルです。
またそれぞれが話し合いをし、ひとつの目標に向かって進むため、横同士のつながりが強固なものになります。
つまりチームメンバーそれぞれの成長を促したい時や組織の団結を強めたい時、時間がかかってもより良いものを作り上げたいという時に有効なスタイルです。
放任型リーダーシップ
放任型リーダーシップは、仕事をチームメンバーに丸投げした状態で進めるリーダーシップです。
責任を取るのはリーダーですが、仕事内容にはノータッチというスタイルになります。
放任型は、リーダーがいない中で仕事が進みます。
そのためチームメンバーの中で意欲が高い人や能力が高い人だけで進むことが多いスタイルです。
成長する人は非常に成長します。
一方で自分が動かなければ何も得るものがないままということが起こります。
またチームメンバーの力量や、そこでの人間関係に結果が左右されやすいのも特徴です。
素晴らしい成果を上げることもあれば、大変なことになってしまうこともありえる、まさにハイアンドローとなるスタイルです。
チームをまとめるリーダーに必要な力
ではそういったリーダーシップのスタイルがある中で、どういった力がリーダーには必要なのでしょうか?
チームをまとめ、きちんと動かすためにリーダーに必要な力について紹介します。
チームメンバーを見極める力
チームを動かすリーダーというのは、そのメンバーを見極める力が必要です。
というのも、メンバーの意欲や経験値、力量によって合うリーダーシップのスタイルが分かれてくるからです。
3つのリーダーシップのスタイルを使い分ける
例えば、今回のメンバーは全体が意欲的で経験値もあると見極めれば、あえて放任型リーダーシップを取りながら見守ることで、それぞれの力が発揮できます。
また放任まで行かずとも、少しサポートしてあげることで、チームメンバーが大きく成長すると見極めれば、民主型リーダーシップが有効です。
そして、意欲があまりないメンバーであったり、短期間で確実な成功をしなければならない場合は専制型のリーダーシップを選ぶ必要があります。
リーダーシップのスタイルを見極める
自分がどのようにリーダーシップを発揮すればよいのかが、チームメンバーをうまく見極めていることによって、適切に判断することができるのです。
チームを動かすと一言で言っても、その時々でチームの状態は違います。
つまり同じスタイルのリーダーシップではうまくいかない場合だってあるのです。
全体を見る力
チームを動かすリーダーというのは、全体を見る力が必要です。
全体というのはチームメンバーだけに限らず、仕事全体の流れや見通し、進捗状況などです。
例えば、元々細やかな性格をしているリーダーは、意外とメンバーがやってしまった小さなミスなどに目が行きがちです。
けれどもそこを見ていると、全体の状況を見失ってしまい、気づいたときには大きなミスへとつながっている場合があります。
放任型のリーダーシップであっても、全体の進捗状況などは把握しておく必要があります。
また、自分が率先して仕事をしてしまうリーダーというのは、全体の動きを見失いがちです。
周りがどのように仕事を進めているのか、困っていることがないかなど全体を見る力がチームリーダーには必要な力です。
人を信じて任せる力
リーダーは、人を信じて任せる力が必要です。
自分でやってしまった方が早いからと人に任せることが難しいと、チームのメンバーを動かすことができません。
チームをまとめられるリーダーというのは、その人が任せられる人かどうか見極めることに長けています。
そのため、相手をしっかりと信じて仕事を任せることができるのです。
人に任せることで成長をできる
自分自身はリーダーになるくらいなので、スピーディーにもっと良い仕事ができるのかもしれません。
ストレスかも知れませんが、信じて任せてることで、チームメンバーが成長していくことを促すことになるのです。
リーダーが仕事をメンバーに任せることができると、チームの士気も上がります。
またリーダーとして組織の全体を見ることができるようになるのです。そういったことから、人を信じて任せる力がリーダーには必要なのです。
褒める力
リーダーには、褒める力も必要です。
人を上手に褒める能力は、信頼関係を厚くする上で有効です。
つまり褒めるのが上手なリーダーは、チームメンバーとの信頼関係が築きやすく、組織内の雰囲気を向上させます。
またそれだけではなく、褒める力があるリーダーは、チームの士気をアップします。
さらに組織のメンバーの良いところをさらに磨くというメリットもあります。
褒める力に長けている人は組織をただ動かすだけではなく、チーム全体をさらに良い方向へと躍進させていく力があるのです。
ただ褒めれば良いわけではない
ただし、なんでもかんでも褒めればいいわけではありません。
組織メンバーそれぞれの強みや努力したことなど、きちんと見極めて褒めることが大切です。また個々人によって能力は変わります。
ひとりひとりの能力に合わせて褒めるレベルを変える必要があるのです。そういったことを見極めることも褒める力のうちです。
責任をとる力
リーダーには、責任をとる力が必要です。
チームのメンバーの誰かがミスをしてしまった時に、自分が矢面に立って仲間を守ることが大切だからです。
そういったリーダーの姿勢を見ることで、チームメンバーは、このリーダーとともに頑張りたいと感じるようになり、信頼をますます厚くしていくのです。
どのリーダーシップのスタイルでも責任をとる力は必要
もし組織メンバーがミスをしたときに「お前の責任だ」とその人を矢面に立たせてしまったら、メンバーはリーダーへの信頼感を失います。
組織を動かすリーダーは、何かがあった時には、必ず自分が前に出て守る姿勢が大切になるのです。
チームをまとめ動かせるリーダーになろう!
組織を動かせるリーダーというのは、人を惹きつける魅力を持っています。
それは生まれ持ってのものではなく、きちんと意識することで誰しもが発揮できる力です。
もしあなたが仕事においてリーダーを任されたときは、まずはそのメンバーの特性をよく知ることが大切です。
その上で、仕事を信頼して任せたりうまく出来ているところを褒めたりしながら全体を見て進めていくことで必要です。
また何よりも大切なのは、仲間を守る姿勢を常に持つことです。
そういった姿勢は、言葉の端々やトラブル時の咄嗟の行動に現れます。
組織のリーダーを任されたときは、責任は自分にあると考え、仕事を全員でやりきることと同時に、チームメンバーを自分が守ることを意識しましょう。
そういうリーダーこそがチームまとめ、人を動かすことができるリーダーなのです。