人の話を良く聞くことは、ビジネスシーンにおいて非常に役に立ちますね。
人の話を上手に聞くことができまる人は共感力が高い人です。
特に営業職で優秀な人というのは共感力が高く人の話を聞く能力にも長けています。
共感力が高い人の特徴と共感力の高め方についてご紹介します。
共感力とは
共感力とは、相手の気持ちをそのままくみ取って寄り添うことができる力のことです。
励ますでもなくアドバイスをするでもなく、ただ相手の感じている気持ちをそのまま同じように感じ取る、それが共感力です。
例えば相手が「仕事が山積みで疲れちゃった」と、辛い気持ちを吐露してくれたとしましょう。
そういった時に「それは疲れたよね」と、その人が感じている気持ちを同じように感じ取るのが共感力です。
共感力が高い人の特徴
共感力が高い人の特徴を知っていると、共感力を高める方法がわかりやすくなります。共感力が高い人は、こういう行動をしています。
映画を見て泣いている
共感力が高い人は、映画やドラマの悲しいシーンを見て泣いていることがよくあります。
共感力が高い人は、映画やドラマを見る時に客観的に見ているのではなく中に入り込んで主観的に見ているのです。
そのため、自分には関係のないところで繰り広げられる物語でも、共感して涙を流したり笑ったりすることができるのです。
人の話を聞くのが上手
共感力が高い人は、人の話を聞くのが上手です。
色々な人と話している中で、話しやすい相手、話しにくい相手というのがいるでしょう。なんとなく辛い時に会いたくなるのは、話しやすい相手ではないでしょうか?
共感力が高い人は、相手がしゃべっている時は、相手の気持ちに寄り添ってそばにいてくれます。
決して余計なアドバイスを入れたり、自分の体験談を語ったりしません。なぜかというと、共感力が高い人は、相手と同じ気持ちでその場にいるから、そういったことが余計であることをわかっているのです。
だから、共感力が高い人は人の話を聞くという能力に長けています。
同じしぐさを同じタイミングでとる
共感力が高い人といると、行動がシンクロしやすいことを知っていますか?
共感力が高い人は、言葉ではないところからも相手の気持ちを汲み取っています。そのため、相手と同時にお茶を飲んだり、同時に足を組み替えたりというシンクロが起こります。
よく夫婦が同じポーズでテレビを見ていたりしますよね。あれは常にお互いの気持ちに共感しあっているからこそ起こる現象です。
ただし共感力が高い人は、同じしぐさを同じタイミングで取るようなことが割と日常茶飯事で起こります。しかも夫婦ほど近い関係でない人に対しても起こります。
ナイーブな一面がある
共感力が高い人というのは、ナイーブな一面を持っています。人の感情に共感することができるのは、つまり自分もそういった感情を持ったことがあるからです。それゆえ、共感力が高い人は傷つきやすく敏感で繊細です。
そういったナイーブな一面を持っているせいもあって、共感力が高い人は人から好かれやすい一方で大きな集団には属したがりません。
共感力の高さ故、大人数の中にいると疲れやすいという一面もあるのです。
共感力を高めるためにできること
共感力が低いと、相手の本心が聞き出せなかったり、信頼関係がなかなか築けなかったりと対人関係で苦戦することが多くあります。
人は共通点があると安心するのと同じで、自分の気持ちを汲み取れる人に対して心を開きます。
共感力というのは持って生まれた才能でもありますが、自分で高めていくこともできる能力です。
共感力を高める方法を使って、少しずつ高めていきましょう。
良いことを言おうとしない
共感力が高くない人は、実は人の話を聞くときに、何か良いことを言おうとしがちなところがあります。
何かこの人の役に立つアドバイスをしてあげなくてはいけないと思い、必死に頭を悩ませます。
けれども、そうやってアドバイスを模索していると、相手の気持ちに目が行かなくなり共感からはどんどん遠ざかってしまうのです。
もし人の話を聞くチャンスがあったら、少し意識して相手の気持ちの方に着目するようにしてみましょう。
アドバイスというのは「あなたならどうする?」と聞かれたときにすればよいものです。また人は気持ちを言葉に出しきったら、自分で解決方法を見つけられる場合が多くあるのです。
アドバイスをするのではなく、相手の気持ちを言葉にしていくことを意識して話を聞くようにしてみましょう。
とりあえずオウム返しをしてみる
共感力が高い人は、実はそれほど多くの言葉を使いません。例えば相手が「悲しい」と言えば「悲しいよね」と言いますし「しんどいな」と言えば「しんどいよね」と言います。
ただオウム返しをしているだけではなく、その気持ちを自分のことのように感じて寄り添うがゆえにオウム返しになるのですが、まずは形から入るということが実は有効です。
人と話をするときに、相手が気持ちを吐露したら、そこをオウム返ししてみましょう。その時にできるだけ自分がその言葉を吐露するときにどういう感情なのか、どういう風に言葉を吐き出すのかを意識しながらオウム返しするとよりよいです。
感情にフォーカスする
ただし、オウム返しをするのは感情のところだけです。
話をオウム返しすると相手は嫌な気持ちになる場合があります。また常にオウム返しもよくありません。適度に相槌も入れつつのオウム返しが有効です。
そうやって話を聞いているうちに、少しずつ相手の気持ちに共感することのコツがつかめてきます。すると意識しなくても、自然と共感して寄り添うということが可能になるのです。
色々な体験をする
共感力が高い人は、自分自身の中に様々な感情を持っています。
感情というのは喜怒哀楽で分けられるほど単純なものではなく、もっと複雑で言葉にできないような感情がたくさんあります。
そういった感情というのは、色々な体験を通して培われていくものです。また共感力を高めるためには、そういった感情としっかりと向き合ってこそ自分の中に取り込まれます。
例えば、仕事で辛い時に、自分がどういう状況でどういう気持ちになるのかをしっかりと見つめることが大切なのです。
悔しいとか恥ずかしいとか単純に辛いだけではないでしょう。そういった複雑な感情を知っていることで、人の気持ちに共感しやすくなります。
共感力の高い人と話してみる
共感力が高い人と話すと、共感してもらう側の感覚を感じることができます。
共感しながら話を聞いてもらうと、本音を話したくなるという感覚がわかるでしょう。また自分で話をしなくても、共感力が高い人が誰かと話をしているのを見るのも良い勉強になります。
例えば、営業職で共感力を高めて成績を伸ばしたいと考えているのであれば、栄養成績の良い人の話の仕方に注目してみるのも良いでしょう。
営業成績の良い人というのは、顧客の本音を、共感力を使って上手に引き出しています。
「ちょっとここがな~」と渋っている顧客に対して「そこが少し悩ましいところですね」と共感することで「そうなんだよ、ここがこうなっていたら欲しいんだけど」と渋る理由を教えてもらいやすくなったりします。
そういう共感力を使った営業トークを見ることで、共感力の使いどころがわかりやすくなります。
百聞は一見にしかず、特に共感力は耳で聞くよりも体感したほうが身に付きやすいスキルです。身近な共感力の高い人を参考にしてみましょう。
共感力の注意点
共感力を高めるという話をしましたが、実は共感力は高すぎるとあまり良くありません。
というのも、共感力が高すぎることで、自分自身がその感情に潰されてしまう場合があるからです。
例えば、共感力の高さが求められる心理カウンセリングの仕事も、共感力が高すぎる人には向きません。なぜかというと、話を聞いた後、その気持ちをずっと引きずってしまい日常生活がままならなくなってしまうからです。
ビジネスシーンでも同様で、あまりにも相手に共感してしまうと営業なのに商品を売らずに相談だけ聞いて終わってしまったなんていう本末転倒なことになりかねません。
共感力は持ちつつも、同時に人は人、自分は自分と切り替えるクールさも必要なのです。
共感力を高めて仕事に生かそう!
共感力が高いと、ビジネスシーンでの信頼関係の構築がとてもスムーズにいきます。
顧客の本音を引き出すことも上手になりますし、職場の人間関係を円滑にすることも可能です。
どんな仕事も相手を信頼していないと良い仕事は出来ませんよね。
共感力に欠けると感じている人は、少しずつ共感力を高めて仕事に生かしてみましょう。
共感力があると感じている人は、その共感力が高まりすぎて自分を潰してしまわないように適度に人と自分の境界を引くクールさを身につけていきましょう。