仕事において上手に立ち回ることができる人というのは、セルフモニタリングを上手に使いこなしています。
セルフモニタリングというスキルを使うと、今自分がどういう風に動くことが最善かを見出すことができます。
セルフモニタリングを習得し、仕事上手になりましょう。
セルフモニタリングとは
セルフモニタリングとはどういったスキルのことでしょうか。まずはセルフモニタリングについて紹介します。
セルフモニタリングとは認知行動療法のスキル
セルフモニタリングは認知行動療法のスキルのひとつです。
難しく聞こえるかもしれませんが、通常誰しもセルフモニタリングは無意識のうちに行っています。
例えば、空気を読むという行動は、セルフモニタリングを使った行動です。
つまり自分の立ち位置や現状を、周りの状況に照らし合わせて、客観的に見て行動を決定することをセルフモニタリングというのです。
また自分の行動を客観視して、対人関係の取り方の癖や習慣などを知ることで行動修正することもセルフモニタリングです。
セルフモニタリングの行い方
セルフモニタリングは、自分を俯瞰して見ることが大切です。自分自身の言動を客観的に観察することからセルフモニタリングは始まります。
けれども、やはり主観が邪魔をしてしまって、客観視が難しいことがあります。
セルフモニタリングには記録が有効
そういった時に、有効なのが記録です。セルフモニタリングに慣れるまでは、記録することが良い練習になります。
例えば日記を書いているのであれば、日記の内容を見返してみましょう。
すると自分の落ち込みやすい部分やつまづきやすい部分、不安を感じやすいパターンなどが見えてきます。書いている最中は客観視できませんが、書いたものを読むことで自ずと客観視できるようになるのです。
慣れてくると、その場で主観と客観を切り替えて、セルフモニタリングを行うことが可能になります。
セルフモニタリングの使いこなし方
セルフモニタリングは常にやり続けることがいいか、というとそうではありません。
セルフモニタリングはもろ刃の刃で、使い方によっては自分を苦しめてしまう場合もあるのです。
セルフモニタリングを使うと良い場面
セルフモニタリングをすると、どういったことが起こるのでしょうか。
セルフモニタリングをすることで、周りの状況を見ながら自分の行動を臨機応変に変えることが可能になります。
仕事をする上で、臨機応変に対応を変更できることは強みになります。
例えば会議の状況を見守りながら、自分がどう動くべきか、自分がどういった声掛けが可能かを考えることができます。そのためその時に最善の対応が可能となるのです。
また相手と自分の関係性を見て、どういった言葉かけが適切かという判断ができます。
つまり人との関わりにおいて、自分の気持ちだけで突っ走ることなく周りの状況や相手の状況を見て判断することができるというメリットがあります。
セルフモニタリングしないほうがいい場面
セルフモニタリングを上手に使いこなす人は、常にセルフモニタリングをしていません。
セルフモニタリングを常にしていると、他者の目が気になりすぎたり自分の考えを常に押し殺さねばならなくなる場合もあります。
時には主観も大切ですし、セルフモニタリングすることなく思ったことを思った通りに行動することも大切です。
必要な時にセルフモニタリングする
つまりセルフモニタリングを上手に使いこなすということは、セルフモニタリングを多用するということではありません。
必要な時に使うことができるということなのです。
仕事におけるセルフモニタリングの活用方法
では、仕事おいてはどのようにセルフモニタリングを使えばよいのでしょうか?
仕事でのセルフモニタリングの活用の仕方を紹介します。
対人関係がうまくいかない時に使う
仕事をしていると、どうしてもうまくいかない相手と遭遇することがあるでしょう。そういった時にセルフモニタリングは使えます。
自分が相手に対してどのように感じているのか、どういう場面でうまくいかないのかなど客観的に観察してみるのです。
また相手のことも「嫌い」という主観で見るのではなく客観的にどういう行動をしていて、そのどこが自分は嫌だと感じているのかなど具体的に見ていくようにするのです。
そうすることで、どうしてその相手との対人関係がうまくいかないのかが見えてきます。
このように対人関係でうまくいかない時にセルフモニタリングを用いることで、自分がどういう風に対応した方が相手との関係をうまく築けるのかが見えてくるのです。
この考え方は「とにかくあの人が嫌」と主観で考えているよりも、よほど建設的です。
また仕事の対人関係はうまくいかないよりはうまくいったほうが何かと都合が良いでしょう。こういった時にセルフモニタリングは使うことができます。
仕事が嫌になった時に使う
セルフモニタリングは仕事が嫌になった時にも使うことができます。
仕事を長く続けていると、なんとなく仕事に行きたくない日が続くようなこともあるでしょう。また転職を考えたりすることも出てくるのではないでしょうか。
そういった時に、セルフモニタリングを使うことで「ただ嫌だからやめる」という短絡的な決断をしてしまうことを防ぐことが可能になります。
セルフモニタリングをしていくと、自分がどうして仕事を嫌になっているのかが見えてきます。
例えば、仕事にいる時間帯で、どこの時間帯が一番嫌なのかをセルフモニタリングしてみましょう。
時間をかけて行う
最初は特に法則が見えないかもしれません。けれどもしっかりとセルフモニタリングして探っていくことで、実際に自分は何が嫌だったのかが見えやすくなります。
原因がはっきりすると、実際に今やめた方が良いのか、やめないほうが良いのかなども明確に見えてくるのです。
このように仕事が嫌になった時などもセルフモニタリングは解決への道を示してくれるため有効です。
疲れている時に使う
仕事が過多であったり、精神的に疲労する仕事が続いていると、どうしようもなく疲れたという気持ちになることがあります。
そういった時もセルフモニタリングは使うことができます。まずは自分の体の状態をモニタリングしてみましょう。
肩が非常に凝っているとか、頭が痛いとか、そういったことをモニタリングしていきます。
それから気持ちの面もセルフモニタリングしてみましょう。
人と会いたくない気持ちであったり、どこかへ行ってしまいたい気持ちであったり、そういうことを書き出していってみましょう。
そうやってセルフモニタリングしているうちに、自分には今何が必要なのか、どういったことをすれば元気になることができるのかが見えてきます。
ただ「疲れた」と寝転がっているよりは、早く元気になることができるのです。
どうにも疲れている時にもセルフモニタリングは有効です。
自分の意見を通したいときはセルフモニタリングをオフに
もしどうしてもここは自分の意見を通したいという時もあります。
そういった時までセルフモニタリングしていると、自分の意見が出せないまま周りに気を遣って空気を読んで苦しい想いをすることになってしまいます。
ここはどうしても自分の意見を通したいという時は、セルフモニタリングをあえてオフにして自分の意見を通すことも時には大切です。
そうしないと、自分の中で常に不全感を抱えることになってしまうことになりかねません。
常にセルフモニタリングすることなく我を通すことは仕事を上手にこなす上で良くない行動です。
けれども時には自分の立ち位置や周りの考え、流れなど気にせず思ったことを思い切って行うということも大切なのです。
セルフモニタリングを上手に使いこなして、仕事に生かそう
仕事を楽しそうに上手にやっている人は、良いタイミングでセルフモニタリングを使っています。
必要時には自分の立ち位置などを客観視して、相手にとって都合の良い行動や言葉を繰り出すことが可能です。そのため対人関係の摩擦が起こりにくいです。
また自分の状態をしっかりとモニタリングできているので、解決のしようがない問題と向き合う必要がなくなります。
セルフモニタリングすることで、常に自分の問題は解決が可能な問題となっているのです。