どうしても苦手で、できることならさけたいとおもうようなことは、誰しもひとつやふたつあるでしょう。
けれども、苦手だからと言って、避けてばかりもいられないのが現実ですよね。
では苦手を克服して苦手ではなくしてしまうには、どうすればよいのでしょうか?
苦手を克服するためにすべきことと、やると逆効果になるしてはいけないことについて紹介します。
自分にとって苦手な人、物、場面を具体的にイメージしながら読み進めて見てください。
苦手に感じる時の心理状態
人は苦手だと感じている時に、どういった心理状態になっているのでしょうか?
嫌悪感に支配される
苦手なものを目の前にしている時、人は嫌悪感に支配されています。
理由を上げるとキリがないけれども、理屈抜きでとにかく嫌だという感情です。
この嫌悪感は無意識に起こるものなので、意識的にコントロールすることが難しい感情です。
そのため苦手なものを目の前にして何も感じないようにしようと自分で努力するのは非常に難しいことです。
体に力が入る
苦手なものを目の前にしたとき、人は自然と体の一部に力が入ってしまいます。
嫌いな場面、嫌いな人が目の前にあるときを少し想像してみましょう。
奥歯を食いしばっていたり、肩がギュッと縮こまるような感覚がありませんか?手を握り締める人もいるでしょう。
このように人は苦手と対峙した時に、自分を守ろうと無意識に力が入ってしまうように出来ているのです。
視野が狭まってしまう
苦手なものを目の前にしたとき、人は視野が狭まってしまいます。
苦手なものと対峙すると、そこから意識を逸らそうとしても、どうしても意識を逸らすことができないような状態に陥ります。
例えばグループの中で苦手な人が一人いると、どうしてだかその人の一挙手一投足が気になりませんか。
見なければいいのに、意識を逸らせようとしてもうまくいかず、その人のことが気になってしまうことがあるでしょう。
それは視野が狭まってしまっているからです。
苦手を克服するためにすべきこと
苦手と対峙している時、人は無意識に反応している部分が多々あります。
人は無意識に起こることをコントロールすることは非常に難しいことです。だからといって苦手を克服することはできないかというとそうではありません。
苦手を克服するためにすべきことをいくつか紹介します。色々試してみて自分に合う方法を見つけてみましょう。
避けるのをやめる
苦手を克服するために、まず試したいことは、苦手を避けるのをやめるということです。どうして避けるのをやめることが大切なのでしょうか。
避けることで逆にアンテナが立つ
苦手だから避けるということは、それに対して常にアンテナをたてているということです。
例えば、会社で苦手だと思っている相手に限って、エレベーターで一緒になりやすかったり、食堂で見かけたりしませんか?
それは苦手だと感じているから出来るだけ会いたくない、避けたいという気持ちがあり、避けるために無意識にアンテナを張って探しているからなのです。
避けるのをやめることを意識しておく
他にも苦手な行動などもできるだけしなくて済むように避けようとしますよね。すると、それを行うチャンスがなくなってしまうので、自然と苦手意識が高まっていくようになるのです。
苦手なことを避けたくなる気持ちは消すことが難しいですが、意識的に避けることをやめるようにしてみましょう。
少しずつやってみる
苦手を克服するために、少しずつやってみることも大切です。
苦手を避けるのをやめると言っても、一気に苦手と向き合うのは難しいことです。
だから、自分の中で少しずつ苦手と向き合えるよう段階を決めておくことが有効なのです。
段階を踏む
例えば大人数での集まりが苦手な場合、いきなり大人数のいる場に飛び込んでいくのはお勧めしません。
まずは2人~3人くらいから試してみるのです。
その人数での集まりに慣れてきたら、4人程度の集まりに参加してみましょう。このように慣れたら次のステップへ上がることを繰り返すのです。
もしステップアップした時に、辛い気持ちになるのであれば、再びステップダウンし、もう少し様子を見ることも必要です。
慣らすことで苦手意識が消える
こうやって少しずつ慣らしていくと、自分の中で少しずつ苦手意識が消えていきます。
大人数は苦手だと感じていたのが、5人くらいは大丈夫と思えるようになっていくのです。
この方法は、焦らずに進めることが大切です。
時間はかかりますが、確実に苦手を克服することが叶います。
ネガティブなイメージを避ける
苦手を克服するためには、ネガティブなイメージを避けることも有効です。
というのも、苦手と対峙した時に、人はネガティブな想像をすでにしているからです。
人は最初からネガティブな結果を想像している
例えば人と話すことが苦手という人は、誰かと1対1になった時に、うまく話せなくて相手を不快にさせてしまうといった流れを想像しています。
人は苦手なものと対峙した時に少なからずネガティブな結果を想像しています。
思っているほど悪くはない
人と話をするときに、本当に相手を不快にさせてしまっているのか、相手の表情をよく見てみましょう。
割と自分の悲観的な予想が外れるほうが多かったりもします。
そうやって、自分の想像通りのネガティブな状態ではないことを認識できることで、苦手意識が徐々に弱まっていきます。
苦手をもう具体化する
苦手を克服するためには、何がどう苦手なのかをもっと具体的に考えることが大切です。
なんとなく苦手という感覚のままでは、克服のしようがありません。
例えば電話が苦手ということであれば、電話を掛ける時にどういう気持ちになるのか、何を不安に感じているのか、を考えます。
そうすることで、ただ苦手だったことへの克服方法が見えやすくなるのです。
顔が見えないから電話が苦手なのであれば、顔が見える状態の電話であれば苦手に感じずに済むのかもしれません。電話に限らず会話自体が苦手なのであればトーク力を磨けばよいのです。
つまり何がどういう風に苦手だと感じているのかを知ることで、自分で克服する方法を見出すことが可能になるのです。
例外探しをする
苦手を克服するために例外探しをすることも有効です。
例外探しとは、苦手だと思っていることの中で例外がないかを探してみる行動をとることです。
これを行うことで、苦手を具体化することが容易になります。
例えば苦手な食べ物であっても、この料理法だと絶対にダメだけど、別の料理法なら食べることは出来るというのがあるでしょう。
苦手の中にも必ず例外があるのです。苦手な人であっても、向き合って話すのは難しいけれど、一緒の空間で仕事をすることは問題ないなら、それは例外です。
そうやって例外を探すことで、苦手と感じる原因が見えやすくなるのと同時に、自分の中の苦手意識を少しずつ下げることができるようになるのです。
苦手を克服するためにしてはいけないこと
苦手を克服したいからといって、してはいけないことがあります。無理をしてしまうことによって、さらに苦手な気持ちを強めてしまう場合があるので、注意が必要です。
いきなり飛び込んでみる
苦手を克服するときに、いきなり飛び込むことは余計に不安感や恐怖心をあおるため逆効果となってしまいます。
例えば、泳ぐのが苦手だからといって急に深いプールに飛び込んでしまっては、おぼれて怖い思いをし、余計に苦手になることは容易に想像がつきますよね。
それと同じで、いきなり苦手な事へ飛び込んでいくことは逆効果となってしまうのです。
苦手を避けることはよくありませんが、いきなり飛び込むことは絶対にやめておきましょう。
気にしすぎる
苦手を克服するときに、気にしすぎることも逆効果です。
苦手を克服したいがあまりに、そのことばかり考えていると、苦手なことに対して気持ちが集中してしまいます。苦手に対して常にアンテナを張り巡らしたような状態になってしまうのです。
誰しもが多かれ少なかれ苦手なことを持っています。
けれども、苦手をそれほど気にしていない人ほど苦手なことが実は少なかったりもします。
苦手を克服したいという気持ちは大切ですが、そればかりに気を取られて集中しすぎないようにすることも大切なのです。
苦手は避けずに少しずつ慣れる事が大切
苦手を克服したいのであれば、無理に避けることをせず、また無理に飛び込まず、自然な形で少しずつ慣れるようにしていくことが大切です。
無理をしてしまうことで、自分の中の苦手意識を一層強めてしまうことになりかねません。
出来そうなところから少しずつ焦らずに慣れていくことで、気が付けば苦手ではなくなっています。
それが苦手を克服する一番良い方法です。