あなたの今の幸せは現状維持バイアスによってキープすることが出来ています。
ただ、この現状維持バイアスがより豊かな人生を送ろうとする勇気や野心を妨げる原因となってしまうことをご存知でしょうか?
現状維持バイアスとはなにか、そしてどんな場面でどう働くのか?
現状維持バイアスが働く理由とその壊し方について紹介します!
現状維持バイアスを壊すために
現状維持バイアスを壊すためには、まず現状維持バイアスという現象について知る必要があります。
現状維持バイアスとは何なのでしょうか?
現状維持バイアスの定義
現状維持バイアスとは
「今の状態をキープしようと、無意識に変化や冒険を避ける考えをとること」
を言います。
バイアスという言葉は、日本語でいうと先入観や偏見になります。
今の状態が一番良いという先入観を持って、今の状態をキープしようとするのが現状維持バイアスです。
現状維持バイアスが働く原因
人は損失回避性という性質を多かれ少なかれ持ち合わせています。
この損失回避性があることで現状バイアスが働き、変化や冒険を避けて現状をキープしようとするのです。
では現状バイアスを働かせる原因となる損失回避性とは何でしょうか?
ダニエル・カーネマンが行った損失回避性の実験
こんな質問をされた場合、あなたはどちらを選びますか?
ケース1
- 無条件に100万円をあげます。
- コイントスで表なら200万円あげます。裏なら0円です。
どちらを選びますか?
ケース2
あなたは今200万円の負債を抱えてしまっています。
- 無条件で100万円負債を減額します。
- コイントスで表なら全額負債を免除します。裏なら負債はそのままとなります。
どちらを選びますか?
おそらく最初の質問に対しては1を選ぶ人が多く、次の質問に対しては2を選ぶ人が多くいます。
損失回避性とは
最初の質問は目の前に利益が転がっている状態です。
人は目の前に利益が転がっていると利益を損失するリスクを回避しようとします。
だから、2分の1の確率で200万円よりも確実に100万円を得る選択をしがちです。
そして次の質問は、目の前にすでに200万円の負債という損失がある状態です。人は損失がすでにある状態では、損失自体を回避しようと賭けに出ます。
2分の1の確率で負債が0円にできるなら賭けようと考えるのです。
これが損失回避性です。
この損失回避性が、現状維持バイアスを作り出すのです。
日常生活の中での現状維持バイアス
普段の生活の中で、どのような時に現状維持バイアスが働くのか具体的に見てみましょう。
いつも同じものを選択する
例えば、よく行くフードコートに行ったとしましょう。
色々おいしそうなお店が並んでいますよね。
「あれもいいな、これもおいしそう」と見て回った末に結局いつも同じものを注文するということありませんか?
これは現状バイアスが働いた結果の行動です。
つまり、他にも美味しそうなものがあるけれども、そこには美味しくないかもしれないというリスクがあります。
でも以前食べて美味しかったものであれば、確実に美味しいものです。
人は美味しくなかった場合の損失、がっかりする気持ちを回避するために、結局いつも同じものを注文するという行動をとってしまっているのです。
行動をしない
他にも、今の仕事に少し不満を感じている人にも現状維持バイアスは働きます。
頭の中では転職をしたいと考えているけれども、結局いつも求人情報を見るだけで終わってしまうということ、ありませんか?
これも現状維持バイアスが働いているからこその行動です。
これも、転職が失敗に終わるリスクを回避しようとする行動です。
損失が起こる可能性を考えて、今の仕事のままでいこうと求人情報を閉じるのです。
現状維持バイアスが働くことによる問題
現状維持バイアスは、普段の生活にも影響を強く及ぼしています。人が何かをするときには、割と現状維持バイアスが働いているものです。
現状維持バイアスは、決して悪いものではありません。
現状維持バイアスがあることで堅実な人生を送ることができたり、失敗の少ない人生を送ることができるとも言えます。
ただ、現状維持バイアスがあることで、自分自身の世界に広がりがなくなってしまうという難点があることも事実です。
例えば、フードコートでの選択も、たまには食べたことがないお店のものを食べてみようと現状維持バイアスを壊すことができれば、もっと自分の口に合う美味しいものと出会える可能性があります。
転職に関しても、もっと自分自身の能力を発揮できる仕事があるのかもしれません。そういった可能性を消してしまうのが現状維持バイアスの難点なのです。
現状維持バイアスを壊すためにできること
では現状維持バイアスはどのようにすれば壊すことが可能なのでしょうか?
小さなことからやってみる
小さなことから現状維持バイアスを壊す練習をするのはおすすめです。というのも、現状維持バイアスを壊すのは、とても勇気がいる行為だからです。
それなりに安定している状態から、損失となるかもしれないリスクを負うので当然でしょう。
例えば、迷った末にいつもの店を選ぼうとしたときに、あえて違う店に行くようにするというのは、現状維持バイアスを壊す行為です。
小さなことであれば、自分が背負うリスクもそれほど大きなものにはなりません。
傍目には、「たったそれだけ?」という行為も、実は現状維持バイアスが強い人にとっては、割と難しい行動だったりもします。
慣れてきたら少しずつ大きな選択も、あえて違う方を選ぶという風にやっていけば現状維持バイアスによって縮こまった選択をすることが減ってきます。
ステップアップしていくことが大切です。
チャレンジ精神旺盛な人と友達になる
現状維持バイアスは人によって強くかかる人と、ほとんどかからない人がいます。チャレンジ精神旺盛な人は、現状維持バイアスがあまりかからない傾向にあります。
例えば髪型をよく変更する人は、自分自身が変化することに不安が少なく、むしろ変化を楽しむことができます。つまり自分自身の変化を楽しむことができるため、現状維持バイアスの影響をあまり受けないのです。
人は周りの人の考えに影響を受けやすい傾向にあります。周りの人がチャレンジ精神旺盛であれば、アドバイスもそちらに傾きがちになります。すると、現状維持バイアスが低減し壊しやすくなるのです。
新製品が好きな人や、髪型がよく変わる人、好奇心が旺盛な人を友達に持ちましょう。
理論的に考える
現状維持バイアスが働くときというのは、気持ちの面の問題が大きいです。
未知の選択をしたあとの未来が明確でないことへの不安や、失敗し落胆する自分を想像してしまうことなどから現状維持を試みてしまいます。
つまり気持ちに振り回されて選択するのではなく、もっとデータを収集し理論的に選択を行うことで現状維持バイアスを壊すことが可能です。
例えば、転職をしたいときに、なんとなく求人情報を見るのはやめましょう。
まずは、どうして自分が転職を考えているのかを明確にすることが大切です。対人関係が辛いのか、お給料の面に不満があるのか、理由は様々でしょう。
そこを明確にすることで、どういった転職を望んでいるのかがわかります。
論理思考で不安な気持ちに対応できる
理論的に考えることによって、不安な気持ちへの対処法が明確になります。
対処法がわかることで、解消される不安というのは多くあります。不安が解消されれば現状時バイアスによって現状維持する必要がなくなるのです。
現状維持バイアスが働きそうなときは、理論的に物事を考えてみましょう。
現状維持バイアスを壊して人生を変えよう!
現状維持バイアスは現状の安定を守るために大切な役割を果たしています。
とはいえ、裏を返せば変化のない成長のない人生を送ることとなる原因ともなってしまいます。
現状維持バイアスを壊すことによって、思い切って変化しようとする行動を選択することが可能になります。
人生には今経験していること以外に面白いことや楽しいこと、あなたに合うことがたくさんあります。
現状維持バイアスを壊して、人生を変えましょう。