自分のことを肯定的に話すということが日本人は概して苦手です。
けれども人に対して自分のことを肯定的に話すことが、実は自分にとって良い効果を生み出すことを知っていますか?
ポジティブなセルフトークがどのような効果を生み出してくれるのかについて紹介します。
自己肯定とは
まず自己肯定とは実際どういったことを指しているのかを知る必要があります。
自己肯定とは、自分の価値や在り方を肯定的にとらえることができることを表しています。
つまり「自分には価値がない」と感じているような時は自己肯定感が下がっている状態といえるのです。
けれども「自分は価値のある人間だ」と普段から常に意識している人は少ないでしょう。
そういったことは日常生活の中では、あまり意識下にのぼってこないものです。
ですが「自分には価値がない」と感じていないのであれば、それは自己肯定ができる状態にあるということです。
自己肯定は普通に生活をしていく上で欠かせない感覚です。
自分には価値があると無意識に感じているからこそ、人と関わることができ仕事をすることができます。
自己肯定は生きる意欲につながっているのです。
日本人と自己肯定
実は、日本人は世界的に見ても自己肯定が苦手な国民であると言われています。
それは日本古来より大切にされてきた「謙虚」な姿勢が影響しています。
日本人の多くは褒められると、まず初めに「そんなことないよ」と謙遜します。こういった謙虚な言葉が、日本人は自己肯定が苦手と言われる所以なのです。
つまり日本人は自己肯定が苦手なのではなく、このポジティブなセルフトークを苦手とする人が多くいます。
日本人は肯定的なセルフトークで好まない
日本人がポジティブなセルフトークを避ける理由は、肯定的に自分のことを話すと
- 自慢話ばかり
- 自信家
- 嫌味
などのイメージがつくことを恐れるからです。
また謙虚や謙遜が美であると、知らず知らずのうちに学んできているからです。だから、肯定的なポジティブなセルフトークを避けるのです。
ネガティブなセルフトークに変えてしまう
また避けるだけでなく、ネガティブなトークにも変えてしまいます。
例えば、頑張ってテストで100点取れた時に「めちゃくちゃ努力して100点取った!」と嬉しそうに話すことがポジティブなセルフトークです。
そして「まぐれで100点取れたよ。こうなると次が怖いね」と話すのがネガティブなセルフトークです。
自分にとって嬉しい話なのに、ネガティブな言葉をつけて表現してしまうということ、身に覚えがありませんか?
嬉しいと感じたことを「嬉しい」と言葉にする、それがポジティブなセルフトークなのですが、これをネガティブなセルフトークにしてしまうのです。
ポジティブなセルフトークがすべき理由
「謙虚さ」が美とされる日本において、ポジティブなセルフトークが本当に良い効果を生み出してくれるのでしょうか?
ポジティブなセルフトークをすべき理由とはなんでしょうか?
1.ポジティブな気持ちになれる
「言霊」という言葉があるように、言葉には強い力が宿っています。
人は周りから言われた言葉だけでなく自分の言葉も自分の耳で聞いています。つまり自分で自分のことをポジティブに話すことによってポジティブな気持ちになれるのです。
先ほどのテストで100点を取った時の発言を思い返してみましょう。
- めちゃくちゃ努力して100点取った!
- まぐれで100点取れたよ。こうなると次が怖いね
と話すのを比較して、どちらがポジティブな気持ちになるでしょうか?
「めちゃくちゃ努力して100点取った!」と言うと、なんだか晴れ晴れとしたような達成感のようなものを感じるのではないでしょうか。
逆に「次が怖いね」と言った途端に、少し肩がキュッと縮こまるような気持ちになりませんか?
自分で言った言葉を自分の耳で聞いて、気持ちがポジティブやネガティブに傾くということはよくあることです。
2.自分の良いところがイメージになる
セルフトークというのは、その人のイメージを形成する上で大切な要素です。
見た目は怖いけれど話してみたら、とても優しい人だったというイメージを持ったことがありませんか?
見た目は第一印象として大切な要素ですが、その後のイメージを形成するのはその人のセルフトークです。
例えば自分がいかに今の仕事が好きかという話を相手がしていたら、仕事ができる人なのだろうというイメージを持ちますよね。
また自分がいかに頑張ったかという話を相手がしていたら、目標に向かって努力ができる人だというイメージが残ります。
セルフトークでイメージは形成される
このようにセルフトークによって、その人のイメージというのは形成されます。
そのため、あまり喋らない人というのは周りからも「どんな人がわからない」と思われます。
また「わたしバカだから」としょっちゅう口にする人は、周りからもバカなイメージを持たれやすかったりします。
3.チャンスが舞い込みやすい
ポジティブなセルフトークができる人のところにはチャンスが舞い込みやすくなります。
もし、AとBのどちらかに大切な仕事を任せなければならない時に
- 「頑張ってやってみたい」と言っているAさん
- 「頑張り切れるかわからない」と言っているBさん
どちらを選びますか?
たいてい「頑張ってやってみたい」と言っているAさんを選ぶでしょう。
どちらも最後までやり切れるかはわかりませんが、少なくとも頑張ろうとしているAさんを選ぶほうが安心です。
つまりAさんのほうにチャンスが舞い込んでくるのです。
チャンスが舞い込みやすいということは、仕事だと出世しやすくなりますし、何事もうまくいきやすくなります。
チャンスをつかめるかどうかは、その後の努力次第ですが、チャンスが多ければ多いほど成功率は上がります。
不快感を与えないセルフトークの仕方
謙虚さが美とされる日本において、自分にとって良いことがあるとわかっていても、ポジティブなセルフトークをしたことで周りに不快感を与えないか心配な人もいるかもしれません。
嫌味なセルフトークにならないためにポイントを2つお伝えします。
1.相手の話もちゃんと聞く
ポジティブなセルフトークは大切ですが、誰かと話している時に自分ばかりが喋ってしまうことで嫌な感じになってしまいがちです。
例えば相手が自分のことを話しているのに「そうだよね、私もさ~」とすぐに自分の方へ話を持っていってしまう人がいます。
こうなると相手は、あまり話ができなかったという不満感を持ってしまいます。
不満を感じている相手に対するポジティブなセルフトークは、ただの自慢話にしか聞こえません。
相手の話もきちんと聞き、自分もポジティブなセルフトークを行うことが大切です。
2.素直に感情を言葉にする
ポジティブなセルフトークというのは、嬉しいとか楽しいとかそういったポジティブな感情を素直に言葉にすることが大切です。
そこを欠いてしまうと、ただ自慢話をしているだけに聞こえがちです。
例えば
- 営業成績、今月もトップだったよ。
- 営業成績、今月もトップだったよ。すごく頑張っていたから嬉しい!
というのとでは相手のとらえ方も変わります。
また褒められた時でも
- ありがとう
- ありがとう、褒められると照れるね
というのとでは印象が違います。
「ありがとう」だけだと確かにポジティブですが、言われ慣れているのかな、自信満々だなと感じます。
けれども素直な気持ちも伝えることで、褒めたほうも嬉しい気持ちになります。
素直な感情も言葉にすることで、ポジティブなセルフトークも嫌な感じになりません。
ポジティブなセルフトークで人生を変えよう
上手にポジティブなセルフトークができる人は、自分の気持ちも周りの気持ちもポジティブにすることができます。
そういう人の周りには人が集まってきますし、チャンスもたくさん巡ってきます。
謙虚な姿勢はとても大切です。
けれども嬉しい気持ちを感じた時にまで謙虚さを出す必要はありません。ポジティブなセルフトークを実践して、人生を好転的なものしていきましょう。