フィードバックは、どのような場面においても学ぶことが多く、ステップアップに大切な要素です。
ただしフィードバックというのは、ただ評価を伝えれば良いわけではありません。
正しいフィードバックは実りあるフィードバクです。
今回はフィードバックについてお伝えします。
フィードバックとは
普段、仕事をしていてフィードバックを求められたり、逆に誰かからフィードバックされたりしたことがあるでしょう。
けれども、改めてフィードバックとは何かを問われると、難しく感じてしまうかもしれません。
フィードバックとはどういったことをするべきなのでしょうか?
フィードバックの言葉の意味
ビジネスシーンにおいて、フィードバックという言葉はよく耳にします。
フィードバックとはそこまでの仕事内容を振り返って、客観的な評価を伝えることを言います。
そもそもの語源は「feed」が食べ物や栄養といった意味で「back」が返すという意味です。
つまり栄養となるようなこと、相手の糧となるようなことを返すことがフィードバックなのです。
フィードバックの方法
フィードバックに決まった形式はありません。
上司の立場で部下にフィードバックを行う場合もありますし、チームで自分たちの仕事ぶりをフィードバックする場合もあります。
実施の仕方に関しても、ミーティングのような形式で行うフィードバックもありますが、何気ない時に立ち話程度に伝えるのもフィードバックとなります。
特にこうしなければならないという形式が決まっているわけではありません。
ただ決まっていることは、言葉の意味のごとく相手にとって糧となることを返すのがフィードバックなのです。
フィードバックの効果
実際にフィードバックを行うことで、どういった効果が期待できるのでしょうか?
客観視を促せる
フィードバックをすることは、客観視を促すきっかけとなります。
ビジネスシーンにおいて、自分の仕事内容を客観視できるということは、とても大切なことです。主観だけで仕事を見ていると、視野が狭まってしまいます。
そうなるとミスに気が付かなかったり、うまくいった場合もどうしてうまくいったのか、に気が付かなかったりするものです。
そういった時にフィードバックがあると、次に同じようなことが起こった時に意識的にうまく対応することができるのです。
そういった自分の仕事を客観視するきっかけとなるのが、フィードバックの効果の1つです。
信頼関係ができる
フィードバックを行うことによって、相手は自分のことをちゃんと見てくれて仕事を評価してくれているという気持ちになります。
特に上司と部下の関係においては、そういった感情を持つことが信頼関係の構築に繋がっていくのです。
例えば自分が一生懸命に頑張って仕事をしたときに、上司から「よく頑張ったな。あの時のこういう対応は本当に機転が利いて素晴らしいと思った」と具体的に褒められたらどんな気分になるでしょうか?
ただ「頑張ったな」と言ってもらうよりも、ちゃんと見てくれている、ちゃんと自分を評価してくれているという気持ちになるのではないでしょうか。
部下から信頼される上司というのは、このフィードバックが非常に上手で的確です。
フィードバックというのは仕事における信頼関係を促進してくれるのです。
やる気を引き出す
ビジネスシーンにおいて、フィードバックを使うことは、仕事へのやる気を引き出す効果もあります。
人からちゃんと見てもらえて、褒めてもらえるのは大人でも嬉しいことです。
例えば、単純作業を黙々とやるような仕事ではモチベーションが上がらない人が多いでしょう。
けれども作業後に「これだけの仕事を黙々とできるなんて、集中力に長けている」と評価されたら、次回の単純作業へのモチベーションがぐっと上がりますよね。
正しいフィードバックが行われると、仕事へのやる気を上手に引き出すことが可能なのです。
同じミスを繰り返さない
フィードバックすることで、ミスしたところを分析することができます。
ミスをする分岐点というものに思い当たることができれば、同じミスをすることを食い止めることが可能です。
もしフィードバックがないままミスしたことを後悔しているだけだとしたら、おそらくもう一度同じミスをしてしまいます。
正しいフィードバックというのは、同じミスを繰り返さないために有効なのです。
フィードバックの効果的なやり方
フィードバックと言うと、良いことも良くないことも含めて評価して伝えれば良いと考えている人が割と多くいます。
フィードバックは部下を育てるための教育的手法としても使われるため、出来ていないことを辛辣に伝えることもフィードバックだととらえている人もいます。
相手の糧となるために伝えるはずのフィードバックですが、どのようなやり方をすると効果的に行うことができるのでしょうか?
具体的に伝える
フィードバックは、具体的に伝えることが一番大切です。
例えば「さっきの仕事良かったな」は褒めているだけで正しいフィードバックではありません。
正しいフィードバックは、その仕事のどこがどのように良かったのか、聞いてイメージがはっきりできる伝え方が効果的です。
ミスのフィードバックも同じ
部下のミスについてフィードバックする際もそれは同様です。
ミスしたことを指摘するだけでは、何もフィードバックされていません。
どういったところがミスであったのか、そのミスは何が起点だったのかを共に考える、それが正しいフィードバックです。
穏やかに伝える
ミスをフィードバックしなければならない時に、どうしても怒り口調になってしまう人もいます。
けれども、怒り口調で伝えると、どうしても怒っているという印象が強く残ってしまい、伝えたいフィードバックがうまく伝わらなくなってしまいます。
例えば、自分が上司に呼び出され、ミスをしていることを怒鳴りつけられたら、その内容が頭に入るでしょうか?
どちらかというと、上司に強く叱責された印象の方が強く残るのではないでしょうか。そしてその後、その仕事については振り返りたくない、そんな気持ちになってしまいます。
それではフィードバックになっていません。
良かったことを伝える時は、そのままの感情で伝えるほうが効果的ですが、ミスをフィードバックするときは、穏やかにゆっくりとした口調で伝えるほうが効果的です。
自分で考えるよう促す
フィードバックは具体的に伝えることが大切です。
とはいえ、すべてを伝えてしまうと、相手は自分で考えることをやめてしまう場合があります。
人から言われたことよりも、自分で考えたことの方が人はしっかりと身につけることができます。
例えば「ここのこの部分はミスだったよね。どうしてこういうミスが起こったのか、少し考えて来てもらえるかな」と投げかけます。
そうすることで、いったん相手は自分なりに考えようとします。
その後、相手の考えを聞いたうえで、自分の考えをフィードバックすると、より効果的なフィードバックになるのです。
タイミングを逃さない
鉄は熱いうちに打てという言葉があるように、フィードバックもタイミングを逃さずに行うことが大切です。
フィードバックというのは、タイミングを逃して時間が空いてしまうと、効果が一気に半減してしまうものなのです。
時間を空けない
仕事が完了した直後にフィードバックが入ると、仕事を具体的に思い返すことができやすいため細かいところも気が付くことが可能です。
けれども、仕事が完了して1か月も空いてから「そういえばあの時の仕事だけど…」と言われても、リアルタイムではないがゆえに思い出すことに時間を要してしまいますし、細かいところは忘れています。
ミスについては注意が必要
ただ、仕事でミスした直後にフィードバックすることは注意が必要です。直後であれば、そこからリカバーすることが可能かもしれないというメリットはあります。
ただ、自分でミスに気づいてリカバーするチャンスや臨機応変に対応する力をつけるチャンスを奪ったりしてしまいます。
そういった力をつけたい場合は、仕事が完了した後のフィードバックの方が有効なのです。
相手の力量を見極めて
正しいフィードバックは早すぎても遅すぎても効果が下がります。
相手の力量や経験値によって、いつフィードバックをしてあげるのが適切かを見極めることが大切なのです。
正しいフィードバックは良い関係を築き、人を育てる
どんな場面でもフィードバックというのはとても大切です。
特にビジネスシーンでは正しいフィードバックで人間関係が良好になりますし、人を育てるためには一番有効なスキルです。
正しいフィードバックができる人は、部下からも慕われますし、また優秀な部下を育てます。
人間関係が良好な職場は、仕事の効率が上がります。
正しいフィードバックは良い関係を築き、人を育てるのです。