ちょっとしたことで、なんだか浮かない気持ちになってしまったり傷ついてしまったりする自分を変えたいと思ったことありませんか?
強いメンタルを持ちたいという願いは、誰しも一度は持つものでしょう。
強いメンタルとはいったい何なのでしょうか?
公認心理士、臨床心理士でもある筆者が弱いメンタルを強いメンタルに変える方法についてご紹介したいと思います。
そもそも、強いメンタルとは何か?
「あの人はメンタルが強い」聞いて、どういう人を想像しますか?
どんなことがあっても少しも動揺することなく普段通りに居られる人でしょうか。
もしくは辛いことがあっても涙ひとつ見せずに立ち向かえる人でしょうか。
強いメンタルとは一般的にストレス耐性を指す
一般的にはメンタルが強い人というと、ストレス耐性が強い人のことを言います。
同じことが起こっても、ストレス耐性の強い人は自分で解消する術を持っており、それほど強く落ち込まずに立ち上がってきます。
傍目からは、何があっても平気そうに見えるかもしれません。
けれども、実際は平気なのではなく、立ち上がりが人よりも早いのです。
メンタルが強い人も辛い
もし何があっても平気な人が強いメンタルの人だと考えているのであれば、それは間違いです。
何があっても平気な人というのは、物事への感受性があまりにも低く、人としての大切な部分を欠いています。
つまり強いメンタルの人もそれ相応に辛いことは辛いと感じているのです。
メンタルが強い人に共通する特徴
メンタルが強い人には共通する特徴があります。
共通する特徴を知っておくことで、弱いメンタルを強いメンタルに変える方法が見えてきます。
考え方が建設的
メンタルが強い人というのは、考え方が非常に建設的です。
何かトラブルが起こった時に「どうしてそれが起こったのか」ではなく「ここからどうすればよいか」をまず考えます。
確かに何かトラブルが起こった時に、その原因を探ることは大切です。
けれどもそこに固執してしまうことで、現状をどうにか動かすことが難しくなります。
強いメンタルの人は対応を考えて行動する
メンタルが強い人は、まず先に原因ではなく対応を検討します。
対応を検討し、トラブルを脱してから原因探索に入るのです。
例えば、喉が渇いてお茶を買おうとしたときに財布を忘れたことに気づいたとしましょう。強いメンタルの人は、お金がない状態でどうやってお茶を手に入れるかをまず考えます。
弱いメンタルの人は原因を考えて嘆く
弱いメンタルの人は、どうして財布がないのかを考えます。強いメンタルの人のほうが先にお茶を手に入れることができますね。
これはとても小さなトラブルですが、大きなトラブルになった時ほど、この差が広がっていきます。メンタルが強い人は、とても建設的な考え方が身についているのです。
客観的に見るのが得意
メンタルが強い人は共通して客観的に見るのが得意という特徴があります。
例えば会社で、上司から叱られたとしましょう。強いメンタルの人は、叱られたショックはありつつも客観的に今の状態を把握しようとします。
自分の行動が叱られて当然のことであったのか、上司の勘違いであったのかなど客観的に見ることで把握しやすくなるのです。
叱られて当然であったとわかれば、自分の行動を内省し次から行動を変えればよいのです。
勘違いであったのであれば、少し時間を置いてから上司に話す機会をもらえばよいのです。
強いメンタルを持っている人というのは、どんな時も客観視することを無意識にやっているのです。
メンタルの弱い人は落ち込んでしまう
これが弱いメンタルの人だとどうなるのでしょうか。
弱いメンタルの人は、叱られて辛い気持ちになったという主観から逃れられなくなりがちです。
ショックを受けた自分しか見えなくなってしまい、結局何をしたらよいのかがわかりません。
そのため長く落ち込み憂鬱な時間を過ごすことになってしまいます。
ポジティブ
メンタルが強い人は、共通してポジティブです。
人は物の考え方ひとつで、人生が大きく変わります。
例えば同じように宝くじで200円当たった人でも「やった!200円当たった!ついてる」と考える人と「200円じゃ元も取れてない」と考える人では人生の幸福度が違います。
強いメンタルの人は、割とどんな局面もポジティブな側面を見出していくのが得意という特徴があるのです。
「こけてもただでは起きない」という言葉がありますが、あれこそ強いメンタルの人の考え方です。
どんなに失敗が重なっても「これは話のネタになるな」と考えられる人というのは、傍目に非常に強いメンタルを持っている人なのです。
弱いメンタルを強いメンタルに変える方法
強いメンタルに変えていくためには、
- 建設的な考え方
- 物事を客観視する力
- ポジティブさ
が必要です。
生まれつき兼ね備えている人もいますが、これらの要素はあとから意識的に実践していくことで変えることができる要素でもあります。
ここからは弱いメンタルを強いメンタルに変えるためにすべきことを紹介します。
時間はかかりますが、実践していれば必ず強いメンタルを手に入れることが可能です。
自分のトラブル時の思考パターンを知る
強いメンタルを持つためには、まず自分がトラブル時にどういった思考パターンをしているのか知ることが大切です。
思考パターンには癖がある
人は考え方に癖があります。意識していないと普段通りの思考パターンに陥りがちです。
例えば、トラブルが発生した時に慌てふためき周りに当たり散らす人がいます。
「あなたの働きが悪いからこうなった!」「あなたが確認しないからこうなった!」と周りに原因を求めます。
そういう人は、どんなトラブルの時も常に周りに原因を求めて自分の気持ちを静めようとするのです。
他にも、トラブルが起こった時に「あの時ああしておけば、こうしておけば」と、たらればの話ばかり考えてしまう人もいます。
そういう人も、やはりトラブル時には必ずと言ってよいほど、たらればを考えてしまいます。
思考パターンは意識して変える
幸い、そういった思考パターンは意識することで変化させることができます。
自分がトラブル時にどういう反応をしやすいかを知ることで、同じパターンにはまりそうになることを防ぐことができるのです。
メンタルが強い人は、トラブルが発生した時に原因ではなく対処方法を先に検討します。
つまりトラブルが起こった時に、意識的に「このトラブルにどう対処すればよいか」を考える方向へ自分を持っていくことが大切なのです。
自分を客観視する
メンタルが強い人は、自分自身のことやその周辺のことを客観視することを普段から行っています。
自分がどういう人かをよく知っていますし、自分の立ち位置も正確に把握しています
自分自身のことがよくわからなかったり、自分の立ち位置がわからないことで人は不安になります。
客観視が弱いと、自分自身のことなのによくわからないということが起こるのです。
例えば、グループで喋っている時に、少し客観視する練習をしてみると良いでしょう。グループ全体の様子や力関係、個々の状態などがよく見えます。
客観視は練習することで上手になりますし、習慣化されます。ぜひ日頃から客観視する練習を重ねていきましょう。
自分自身を客観視する練習方法
また自分自身を客観視する練習としては、自分の状態をひとつひとつ言葉にするという方法が有効です。
「今、わたしは疲れたなって感じている、あまり喋らない友達に気を遣って話題を提供しているからだ」
「肩も凝ってきている、緊張しているからだ」など、あえて自分の状態を心の中で言葉にしていきます。
そうすることで、自分自身のことが少しずつわかるようになってきます。
思考パターンや性格、しんどさを感じやすいところなどがわかっていることで、上手にストレスを回避したり解消したりすることが可能となるのです。
良い部分を探す癖をつける
弱いメンタルを変えるためにはポジティブな考え方ができることが大切です。
例えば財布を忘れた時に、
「なんて最悪な日だ」
と考えるのではなく
「財布がなくても人は生活できるのか実験しよう」
と考えれば少し楽しい一日へと変わります。
こういう考え方ができる人は、逆境やトラブルによって、めげるのではなく奮い立つことができるのです。
こういったポジティブな考え方は日頃から癖をつけることで身につくものです。
そしてポジティブな考え方が身につくことで強いメンタルに変えていくことができるのです。
弱いメンタルは変えられる!
弱いメンタルを変えるために、日ごろからの意識づけが大切です。
何かがあった時に急に強いメンタルを発揮できるということはありません。
普通の何でもない時から意識して自分の考え方を変化させていくことで、弱いメンタルを強いメンタルに変えていくことができます。
ぜひ毎日の積み重ねで心を変え、人生をプラスなものに変えていきましょう!